魅惑のマンホール、可愛い単管バリケード

日本各地・世界各地のマンホール蓋を中心に、単管バリケードも紹介します。街路樹保護盤やピクトグラム、救命ブイなど、様々なカテゴリーの記事をアップします。

『日本語と中国語 日本漢字でどこまで通じるか』(陳舜臣、陳謙臣)~「白髪三千丈」は詩的表現~

神戸生まれの華僑として、中国文化にも日本文化にも造詣の深かった陳舜臣が、弟の陳謙臣との共著で書いた本です。私が読んだのは1972年発行の新書版で、その後1985年に文庫化されているようですが、どっちにしろ古く、当然絶版で、古本でしか買えません。アフィリエイトでお勧めしたところで、どなたも買わないと思われ、レビューの意味もないかもしれません。

 

 

でもこのブログはアフィリエイトが第一目的というわけではなく、自分自身の備忘録の側面も強いため、読んだ本・観た映画などについては原則記事にしています(諸事情から記事にしない場合もありますが)。よってこの本についても、書いておきます。

 

 

全体の4分の1が、簡単な中国語会話の例文と日本漢字と中国の簡体字の対照表が占め、その分をもうちょっとエッセイに割いてほしかったなという不満はあります。でもまぁ面白かったです。

 


 

 

一番印象に残ったのは、李白の詩にある「白髪三千丈」の解釈。これは中国人の誇張癖の例としてよく取り上げられますが、陳舜臣は「誇張ではなく、詩的表現」としています。むしろ日本人の方が大袈裟、という逆襲として、「日本人は『一日千秋』というが、中国での原型は『一日三秋』」と書いています。

 

それ以外にも、日本でも有名な中国史のエピソードの裏側事情などがいろいろ書かれており、面白く読み進めることができました。