魅惑のマンホール、可愛い単管バリケード

日本各地・世界各地のマンホール蓋を中心に、単管バリケードも紹介します。街路樹保護盤やピクトグラム、救命ブイなど、様々なカテゴリーの記事をアップします。

『茅田砂胡 全仕事1993-2013』(茅田砂胡)~読了した自分を褒めたい~

『ポーラの戴冠式』を読んでしまったものだから、やはりその本編とも言うべき「紅蓮の夢」が読みたくなり、収録されている『茅田砂胡 全仕事1993-2013』を図書館で予約しました。

 

margrete.hatenablog.com

 

取りにいって、ドン引きしましたよ。あまりに分厚すぎる。なんと全702ページ! 筆者は「弁当箱」と称していますが、こんなに厚い弁当箱はないと思う。あまりに厚すぎて、持ちにくい、つまり読みにくいです。現在すでに中古のものを除き新書版では手に入らず、電子書籍版しかありませんが、電子書籍で読むのが正解だと思います。何か握力のトレーニングになりそうな感じなので。

 

 

kindle

 

で、目的の「紅蓮の夢」ですが、途中までは読んだことを後悔しました。デルフィニアの王ウォルが、本来のリィの世界である共和宇宙に来るという設定が、いかにも読者サービスっぽくて嫌でした。しかもリィの家族に挨拶するとは、サービスとしてもやりすぎ。とはいえただのサービスではなく、実はウォルは助けを求めにやってきたことが明らかになりますが、リィたちが端末を通して何が起きたのかを理解するくだりがあまりに長すぎ、これまたうんざり。

 

でもリィがようやくウォルの救援に向かってからは、急に面白くなり、やっぱり読んでよかったと思いました。しかし「紅蓮の夢」だけで374ページとは……。これだけで1冊にしてほしかったな。

 

「紅蓮の夢」の他に、「デルフィニア戦記」のマンガ、「桐原家の人々」と「祝もものき事務所」の短編とマンガ、「レディ・ガンナー」の短編などなど、異常に盛りだくさんです。いかにも20周年記念という感じです。私としては「レディ・ガンナー」の短編が読めたのが、収穫でした。他社のシリーズの番外編を載せるとは、中央公論新社、なかなか懐が広いです。

 

どうでもいいけど気になるのは、題名。この題名だと、20年間のすべての作品が収録されているように読めると思うのは、私だけ? もちろんそれでは、1冊に収まるわけがないのですが。実際には、20年間に書いた全シリーズの番外編が収められているわけで、どうしても題名がおかしい気がしてなりません。

 

なにはともあれ、読了して何だかほっとしました。読了した自分を褒めたいです。これで今度こそ、もう生涯茅田砂胡の作品は読まないことでしょう。未読の「レディ・ガンナー」作品だけが、ちょっと気になりますが、やめておきまーす。