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『ポーラの戴冠式 デルフィニア戦記外伝3』(茅田砂胡)~読むべきか、読まざるべきかは、あなた次第~

茅田砂胡の「デルフィニア戦記」シリーズは、友人から教わり、結構夢中になって読んだものです。

当然のように、主人公のリィの本来の世界の話である「スカーレット・ウィザード」シリーズや「暁の天使たち」シリーズ、「クラッシュ・ブレイズ」シリーズ、「天使たちの課外活動」シリーズに流れ(「トゥルークの海賊」シリーズは、読んだかどうか不明)、現代日本を舞台にした「桐原家の人々」シリーズ、「祝もものき事務所」シリーズにも手を出し、唯一の角川書店から出した作品である「レディ・ガンナー」シリーズも読み……。

こうやって書くと、かなりどっぷりはまったファンだったんですね。

 

 

でも読み続けるうちに、違和感が募ってきました。「天使たちの課外活動」シリーズと「祝もものき事務所」シリーズの、途中からだったと思います。何かどのシリーズも、結局同じというか、戦闘能力や知能といった「力」さえあれば、法を犯そうがマナー違反をしようが、すべて許されてしまう人々のことを書いているな、と。

 

で、決意しました。もう茅田砂胡の作品は生涯読むまい、と。私はシリーズものを途中でやめるのは基本的に好きではないのですが、「天使たちの課外活動」シリーズも「祝もものき事務所」シリーズも、途中で放り出しました。

 

なのに先日、「デルフィニア戦記」の読んでいない外伝を見つけてしまったのですよ。それがこの、『ポーラの戴冠式』。裏表紙から、本編完結後の後日談にあたる「紅蓮の夢」の、更にサイドストーリーにあたる話であることは分かったものの、「紅蓮の夢」自体、読んだような読まないような、という感じでした。読まないという決意を覆すべきか、ちょっと迷いましたが、やはり「デルフィニア戦記」シリーズは断トツに面白かったので、読むことにしました。

 

 

前置きというか言い訳がだいぶ長くなりましたが、感想はどうかというと……。

 

うーん、微妙(*_*) 全12章の半分にあたる6章分が、本編で活躍した登場人物たちの子ども世代の話に割かれているのですが、最初のうちはまぁ良かったものの、次第に延々と続く未熟な子どもたちの話に、イライラしてきました。子どもたちのエピソードをもっと少なくして、本編の登場人物たちの話をもっと読みたかったな。そういう意味で、表題作の「ポーラの戴冠式」に入る第9章からは、ようやく面白くなりました。

 

kindle

 

そういう意味で、評価が分かれる作品だと思います。純粋に、「あの世界にもう一度触れたいな」と思う人は読むべきだし、私のように完結した本編に満足している人は、あえて読まない方が、自分の中のデルフィニアの世界が壊れないと思います。

 


 

 

でもそう言いつつ、私はもう一度「デルフィニア戦記」の世界に触れることになります。調べてみたら、「紅蓮の夢」はやはり読んでいないようなんですよ。これまた迷ったものの、「紅蓮の夢」が収録されている『茅田砂胡全仕事 1993-2013』を先ほど予約したところです(^-^;