魅惑のマンホール、可愛い単管バリケード

日本各地・世界各地のマンホール蓋を中心に、単管バリケードも紹介します。街路樹保護盤やピクトグラム、救命ブイなど、様々なカテゴリーの記事をアップします。

『花だより みをつくし料理帖 特別巻』(高田郁)~うじうじする登場人物たち~

みをつくし料理帖」シリーズの番外編です。

 

 

全巻読破しながら言うのもなんですが、私はヒロインの澪には好感が持てません。健気だけど、間違った思い込みの下突っ走り、その結果困難に見舞われるのです。そして周囲から厳しく、あるいはさりげなく心得違いを指摘されて反省し、道が開ける。それをこの特別巻を含め、11冊繰り返してきたわけです。

 

NHKのドラマで黒木華が澪を演じたのを観て、ようやく多少受け入れられるようになりましたけど。人生を通じ艱難辛苦に見舞われるけど、精進すれば必ず真っ青な空を仰げる「雲外蒼天」の相を持つ彼女ですが、結構自業自得な気が……。

 

 

今回は短編4本が収録され、最後の「月の船を漕ぐ――病知らず」だけが澪が主人公で、後は本編の脇役たちが主人公を務めていますが、澪を娘のように思っている種市も、澪の元の想い人の妻となった乙緒も、澪の幼馴染の野江も、まぁうじうじうじうじ……。澪の料理のファンの一人清右衛門(滝沢馬琴)のように、ぶちぎれたくなること、たびたび。いや、もちろん彼らの悩みが全く理解できないわけではなく、それこそ清右衛門同様、理解できるからこそ、まだるっこしいわけですが。

 

そんな澪たちに贈りたい言葉は一言、Good luck!!です。その心は、私とは関係のないところで、どうぞお元気でお幸せにお過ごしください、です。