魅惑のマンホール、可愛い単管バリケード

日本各地・世界各地のマンホール蓋を中心に、単管バリケードも紹介します。街路樹保護盤やピクトグラム、救命ブイなど、様々なカテゴリーの記事をアップします。

『アラビアン・ナイト 上』(ディクソン著、中野好夫訳)~強烈すぎる登場人物たち~

ディズニーシーのシンドバッド・ストーリーブック・ヴォヤッジに乗るたび、「実はシンドバッドの物語、ちゃんと知らないかも」と思い続けていました。そのたび、「良い機会だから読もう」と思いつつ、日々の生活に紛れることを繰り返し……。ついに、読んでみましたよ。
 

 
シンドバッドは7回も航海に出るのですが、そのたびに死ぬほど酷い目に遭うのに、まったく懲りない人のようです。世界史的に解釈すれば、東西交易を担ったイスラーム商人ですね。
 

 

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シンドバッド以外の物語も収録されていますが、どうにも強烈な登場人物ばかりです。アラディンはわがままでどうしようもないし、「ペルシア王と海の王女」に登場するサーレハ王は、自分の妹夫婦に一言も断らずに甥っ子のベーデルを連れ去るし(すぐに連れ帰ったけど)、ベーデルは成長後、アラディンなみの「言い出したら聞かない人」になるし……。
 
しかも、アラディンはバドロルブドル姫(ディズニー映画のジャスミン)の姿を見て一目ぼれしているから、まだましだけど、ベーデルは美しいという話を聞いただけのジャウワーラ姫に惚れこみ、彼女自身から酷い目に遭わされても、懲りずに彼女との結婚をあくまで望むし……。ほとんど、なんじゃこりゃの世界です。
 

 

 
なお、下で紹介しているのは2001年に発売されたバージョンですが、私が読んだのは1959年発行のバージョン。よって、その時代の翻訳だからある意味仕方がないとはいえ、差別用語のオンパレードで、これまた疲れました。1959年版も2001年版も同じ中野好夫訳ですが、昨日図書館で確認したら、2001年版はちゃんと差別用語の言い換えがされていました。中野好夫は1903(明治36)年に誕生し、1985年に逝去しているので、遺族の了解を得て訂正したのでしょうね。