魅惑のマンホール、可愛い単管バリケード

日本各地・世界各地のマンホール蓋を中心に、単管バリケードも紹介します。街路樹保護盤やピクトグラム、救命ブイなど、様々なカテゴリーの記事をアップします。

映画「人生フルーツ」~おとぎ話のような実話~

ケーブルテレビで、とても気持ちのいい映画を観ました。

 

life-is-fruity.com

 

建築家の津端修一さん・英子さんご夫婦の暮らしを描いた、ドキュメンタリー映画です。ナレーションは樹木希林

 

日本住宅公団ニュータウンの設計に携わってきた修一さんですが、風が通るようなゆったりとした街並みにしたいのに、経済最優先の風潮の中、完成してみれば、建物がぎゅっと詰まったものになっていました。

それにがっかりした修一さんは、高蔵寺ニュータウン団地のそばに広大な土地を買い、自分と家族の手で、こつこつと理想の暮らしを組み立てていったのです。果樹を始め、たくさんの木々を植え、英子さんが丁寧に作ったものを食べ……。

 

おとぎ話のような暮らしをしている二人ですが、もちろんそれを実現するための苦労は、並大抵のものではなかったと思います。加えて、自分たちさえ理想の暮らしを送っていれば良いとは思っておらず、はげ山になってしまった高蔵寺ニュータウンの裏山に苗木を植える運動を行うなど、出来る範囲で少しでも人の生活も良くしようとしている点が素敵だと思いました。

 

 

だからこそ、人生最後の仕事として、修一さんの理想通りの設計ができるものが与えられたのでしょう。それが形になるのを見ることは修一さんにはできなかったけど、修一さんの考えに共鳴した依頼者たちは、絶対にそれをないがしろにしないと思います。

 

二人のように、ささやかでもきちんとした暮らしをしたいですが、山積みの机で仕事をしている自分をふり返ると、ため息が出ます。まぁ二人の生活の完成にも50年かかったんだから、仕方がないでしょうか。

 

すごくお勧めなのですが、残念ながらDVDとかにはなっていないので、私のようにケーブルテレビで放映した時に観るか、細々とやっている上映会で観るかしかないようですね。以前ご紹介した「モリのいる場所」とも重なる点があります。実は日本のあちこちで、こういう暮らしを送っている人は、案外たくさんいるのかもしれません。

 

margrete.hatenablog.com