題名そのままの内容で、白洲次郎・正子の娘である桂子さんが、両親について語ったエッセイです。
いやはや、両親共に強烈な個性の持ち主でいらっしゃいます(^-^; でもそのアクの強さこそが、お二人の魅力にもつながっているのでしょう。桂子さんは、その両親、特に正子さんの良くない点に、子どもの頃から反感を覚えてきたわけです。でも一方で文章の端々に、桂子さんが両親の良い点も良くない点も、形を変えて受け継いでいることが伺えます。
正子さんは、表面上は母親失格かもしれません。でも一方で、桂子さんの心に残り、その人生を支えるような教えを、いくつも残しています。それだけで正子さんの欠点は、すべて帳消しにできるのかもしれません。親にしても教員にしても、どれだけ欠点を抱えていても、子どもの心に残るような教えを1つでも残すことができれば、それで良いのかもしれませんね。
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