魅惑のマンホール、可愛い単管バリケード

日本各地・世界各地のマンホール蓋を中心に、単管バリケードも紹介します。街路樹保護盤やピクトグラム、救命ブイなど、様々なカテゴリーの記事をアップします。

『すぐ死ぬんだから』(内館牧子)~予期せぬ展開が続き、最後まで飽きさせない~

ちょっと更新の間が空いてしまいました。更新しないと、すぐにアクセス数は落ちるという、当たり前のことを再確認しました。でも更新していない間も、なぜか連日5アクセスくらいはありましたが……。

 

 

『すぐ死ぬんだから』って、すさまじい題名ですね。78歳の女性ハナが主人公の話で、別に積極的に読もうと思って読んだわけではなく、成り行きで読む羽目になっただけです。自分の見た目にこだわるくせに、言葉遣いが汚いハナを筆頭に、好感が持てるとはいいがたい登場人物がぞろぞろ出てきますが、3つの点で感心しました。

 

kindle

 

①展開が見事

予備知識ゼロで読んだのですが、話がちょっとダレたかなと思うと、予期せぬ展開があり、最後まで飽きずに読めました。さすが脚本家の内館さん。ドラマで次回が気になって、つい観てしまう視聴者心理をつく工夫が、小説でも生かされているようです。何よりも中盤で明らかになる、亡き夫が抱えていた秘密が衝撃でした。

 


 

 

②文章がうまい

すらすらと、スムーズに読める文章でした。プロなんだから、文章がうまくて当たり前のはずなんですが、最近は相当売れていても、もう一つ何が言いたいか分からない文章を書く人が少なからずいるので、文章がうまいのが新鮮。何せ下手な文章だと、つい飛ばし読みをしてしまう私が、最後までしなかったのですから。だからこそ、最後の最後まで繰り広げられる、意外な展開を楽しめたわけです。

 

③校正がきちんとしている

校正をきちんとするのも、出版物であれば当たり前のはずですが、近年の出版物の誤字脱字、文法的破綻の多さときたら、腹が立つほどです。そりゃ私のブログの文章だって、完璧ではありません。指摘を受けたり自分で気づいたりして、直したことは何回もあります。でも売り物の本に何ヶ所も、下手すりゃ何十ヶ所も間違いがあるのは、いただけません。その点、『すぐ死ぬんだから』は、私が気付いたミスはわずか1ケ所! 250ページ7行目から8行目にかけての、「ナチュナル女」だけです。「ナチュラル女」の間違いですよね。