先週、「隠し砦の三悪人」に続き、黒澤映画の「乱」を観たのに、感想を書き忘れていました。見終わった直後から体調を崩し、ブログどころではなかったので(^_^;) 「乱」のせいで体調を崩したわけではないと思いますが、内容の毒気に当てられたのかも。
「乱」はシェークスピアの「リア王」を日本の戦国時代に置き換えた話ですが、主演の仲代達矢をはじめ、出演者の皆さまの演技の鬼気迫ること! 人々のちょっとした思惑の違いや、秘してきた野望の表面化などが相まって、話はどんどん暗い方に進んでいきます。
合戦シーンも、あえて音なしで見せるシーンと、音ありで見せるシーンを使い分けており、戦いの悲惨さと無意味さが際立ちます。救いのない話ですが、池畑慎之介演じる道化の存在が、わずかな救いとなっている気もします。主君のために真っ当に涙を流す彼がいなかったら、本当にどこにも救いはないでしょう。
「リア王」を踏まえている以上、話の展開も結末も知りつつ観るわけですが、それでも最後まで観る側の集中力を途切れさせない力に脱帽です。
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あと、人も馬もふんだんに使っているのがすごい! あの迫力はCGでは出せませんよね。
「古典」として、一度は観ておくべき作品かと思います。
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