魅惑のマンホール、可愛い単管バリケード

日本各地・世界各地のマンホール蓋を中心に、単管バリケードも紹介します。街路樹保護盤やピクトグラム、救命ブイなど、様々なカテゴリーの記事をアップします。

『アラビアン・ナイト 下』(ディクソン著、中野好夫訳)~知恵と行動力に満ちた女性たち~

上巻に引き続き、ようやく『アラビアン・ナイト』の下巻を読破しました。
 
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上巻の感想は、以下をご覧ください。
 

margrete.hatenablog.com

 

いやはや、上巻以上に強烈でした(^_^;) 合間に他の本も読んでいるとはいえ、上巻を読み終わってから約1か月かかって読了したのは、なかなか読み進められなかったのもあります。相変わらず、ひとめぼれした相手と結婚したり、欲しい物を手に入れたりするためなら、周りの迷惑も顧みず猪突猛進する主人公たちが続出します。

 

 「アラビアン・ナイト(千夜一夜物語)」のメインのストーリーは、殺されないために「すべらない話」を夜な夜なし続けるお妃様の話なわけですが(アラディンなど個々の話は、そのお妃様がするお話です)、私が話を聞かされている王様なら、突っ込みどころ満載過ぎる話に、どこかでぶちぎれて、お妃様を処刑しますね。

 

特に脱力したのは、「ものいう鳥」で二人の王子が妹に「皇帝にお会いして、一緒に狩りをした。光栄にも王宮に来るよう誘われた」という話をするのを3度も忘れるところ(正確には2度忘れた時点で、皇帝が次は忘れても思い出せるような工夫をしてくれ、昼のうちに言うのは忘れたものの、その日の晩に辛うじて思い出す)。どんなオトボケ兄弟なんだ……。

 

 

 

でも登場する女性たちが、基本的に知恵と行動力に満ちていることには感心しました(満ちすぎなケースもあるけど)。家の中に閉じこもって、男性の言うことを素直に聞いている女性はまず登場しません。これが昔のイスラーム圏で流布したことを考えると、イスラーム圏の女性って私たちが思うほど男性に抑圧されていなかったのかもしれません。「アリ・ババと四十人の盗賊」に登場するモルジアーナなんて、彼女を主人公にディズニー映画化しても良いくらいです。