魅惑のマンホール、可愛い単管バリケード

日本各地・世界各地のマンホール蓋を中心に、単管バリケードも紹介します。読んだ本、観た映画、旅行先の話なども書く予定です。

第五の山

旧約聖書に出てくる預言者の一人であるエリヤの人生を通じ、災害や戦争に代表される不幸が人生に降りかかる意味を問う物語です。エリヤの身には、これでもかこれでもかというほど不幸が降りかかり、読んでいて疲れます。

また山川夫妻の訳があまり上手ではないので、そこで集中力が途切れがちになります。英語が読める人は、英語版で読んだ方が良いと思います(もちろんポルトガル語が読めれば、コエーリョのオリジナルの文章が読めますが)。同じ作者の『アルケミスト』は英語版で読みましたが、日本語版よりずっと心に残ったので。
 
映画の「十戒」や「エクソダス:神と王」を観ても思うことですが、ユダヤ教キリスト教の神は、なぜこれほどに人に試練を与えるのでしょう。『第五の山』ではその疑問に対し、私の解釈が間違っているのでなければ、以下のように結論を出しています。
 
神は安穏と日々を送り、変化を忘れている人間の目を覚まさせるために、試練を与える。だが決して、乗り越えられないような試練は与えない。試練に押しつぶされたり、試練から逃げ出すことは人間の自由だが、試練に立ち向かう者を神は助け祝福する。
 
まぁここまでなら、ありがちですが、ちょっと驚かされたのは、もし神の意思が間違っていると思うなら、神に挑戦して構わない、と書かれていたことです。挑戦することを時に神が望むこともあり、最終的にはそれが神の意思に適うことである、と。実際、旧約聖書自体にそれを示唆する部分があるのです。
 
私はクリスチャンではないので、「神の意志」を振りかざされると、やや辟易する部分もあります。でもこの本を読んだことで、時に無慈悲に感じられるユダヤ教キリスト教の神の理解が、少しは深まったかもしれません。
 
第五の山 (角川文庫)

第五の山 (角川文庫)